事業実績報告

団体名

政策研究ネットワーク「なら・未来」

テーマ

「市民の森」ゼミナール2006
~これからの日本をどうする、奈良をどうする~

1.事業実績の概要

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① 開講の目的

『「市民の森」ゼミナール2006~これからの日本をどうする、奈良をどうする~』は、環境問題を始め、所得格差の拡大、犯罪の多発、コミュニティの疲弊など、わが国が直面している社会的病理の解決に対応する社会経済システムのあり方や、自治・分権時代における市民自治型の自治体改革などを学びながら、これからのわが国や奈良が目指すべき社会像と、その実現に向けた改革手法などを展望する目的で開講した。

ゼミナールが目指す人材としては、次の3つの人材像を設定した。環境・経済・社会の相互依存性に配慮した「持続可能な奈良・大和」の創造の担い手、自己決定・自己責任に担保される簡素・効率的な自治体運営の担い手、地域の課題解決に向けた実践活動や、地域が必要とする公共サービスの供給などを担う住民自治・地域自治の担い手の養成である。

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② ゼミナールの内容と参加者数(講座内容については5頁以降を参照)

■参加者総数:272名

■プログラム

【結論】(参加者52名)

<7月29日(土)午後1時~3時>

第1講座
「これからの社会像を求めて~真の構造改革とは何か~」
佐和隆光(京都大学経済研究所教授)
第2講座
「ソーシャル・ガバナンスの時代の都市政策パラダイム」
澤井安勇(総合研究開発機構(NIRA)理事、法政大学大学院客員教授)

【各論】

★環境創造コース(参加者74名)

<8月19日(土)午後1時~午後5時>(参加者36名)

第3講座
「奈良・大和の自然風土を生かした環境創造に向けた奈良戦略」
高月 紘(京都大学名誉教授、京(みやこ)エコロジーセンター館長)
第4講座
「大和の森ルネッサンス~林業を環境産業に変える~」
田中淳夫(森林ジャーナリスト)

<9月2日(土)午後1時~午後5時>(参加者38名)

第5講座
「明日香村の農を基盤とした歴史遺産の保存と観光による環境循環型地域経営への挑戦」
関 義清(明日香村村長)
第6講座
シンポジウム「奈良・大和の環境創造~自然との共生・多様な主体との協働による環境循環型の地域づくりに向けて~」

パネリスト

  • 楠下孝雄(特定非営利活動法人奈良環境カウンセラー協会理事)
  • 向出佳史(奈良交通株式会社自動車事業本部管理部次長)
  • 三浦雅之(特定非営利活動法人清澄の村理事長)
  • 遊津隆義(奈良県地球温暖化防止活動推進センター、特定非営利活動法人奈良ストップ温暖化の会理事長)

コーディネーター

  • 浅野詠子(自治・分権ジャーナリストの会)
★福祉創造コース(参加者47名)

<9月16日(土)午後1時~5時>(参加者27名)

第7講座
「『障害者自立支援法』がもたらしたもの」
廣瀬明彦(社会福祉法人 相楽福祉会常務理事)
第8講座
「『福祉有償運送』の現状」
三星昭宏(近畿大学理工学部教授)

<9月30日(土)午後1時~5時>(参加者20名)

第9講座
「障害のある子どもとその家族のための子育て応援」
内山尚子(たんぽぽ生活支援センター相談員)
第10講座
シンポジウム「地域で生きることを支える
~ソーシャルインクルージョンの視点から~」

パネリスト

  • 内山尚子(たんぽぽ生活支援センター相談員)
  • 大竹美知世(特定非営利活動法人生活支援センターもちつもたれつセンター長)
  • 廣瀬明彦(社会福祉法人 相楽福祉会常務理事)
  • 三星昭宏(近畿大学理工学部教授)

コーディネーター

  • 村上良雄(特定非営利活動法人奈良NPOセンター副理事長)
★経済創造コース(参加者39名)

<10月14日(土)>(参加者13名)

第11講座
「持続発展可能の自立型産業群の形成に向けて」
柳谷勝美(財団法人南都経済センター理事長)
第12講座
「ビジターインダストリー(集客産業化)奈良の創造」
梅屋則夫(有限会社梅屋プロジェクト代表取締役、中小業診断士)

<10月28日(土)>(参加者26名)

第13講座
「芸術・文化・歴史における産業化の視点―日本の伝統と創造の課題―」
池上 惇(京都大学名誉教授)
第14講座
シンポジウム「奈良らしさと独自型経済発展の可能性を探る」

パネリスト

  • 柳谷勝美(財団法人南都経済センター理事長)
  • 八坂豊(奈良ロイヤルホテル代表取締役)
  • 和田陽介(社団法人奈良青年会議所理事長)

コーディネーター

  • 梅屋則夫(有限会社梅屋プロジェクト代表取締役、中小企業診断士)

コメンテーター

  • 千本倖生(イー・アクセス株式会社代表取締役会長兼CEO)
★市民主権型自治体創造コース(参加者60名)

<11月11日(土)午後1時~5時>(参加者22名)

講座15
「自治・分権時代の自治体像を求めて~市民主権型自治体の創造と地域自治~」
木原勝彬(ローカル・ガバナンス研究所長)
講座16
「地方政治改革とローカル・マニフェスト」
新川達郎(同志社大学大学院総合政策科学研究科長・教授)

<11月25日(土)午後1時~5時>(参加者38名)

講座17
「市民による税の使途決定システムは可能か」
澤井 勝(奈良女子大学名誉教授)
講座18
シンポジウム「市民主権型自治体の創造に向けて」

パネリスト

  • 浅野詠子(自治・分権ジャーナリストの会)
  • 木原勝彬(ローカル・ガバナンス研究所長)
  • 中川幾郎(帝塚山大学法政策学部教授)
  • 村上良雄(特定非営利活動法人奈良NPOセンター副理事長)

コーディネーター

  • 新川達郎(同志社大学大学院総合政策科学研究科長・教授)
③ 事業計画の変更

本事業の当初計画では、「市民の森」ゼミナールを11月に終えた後、その内容を踏まえながら「大和再生21ビジョン」の策定作業を受講者の参画によるワークショップを重ねたうえで、4月頃までに取りまとめ、これをブックレットにまとめ発行、さらにはこれを基に、秋に予定されていた奈良知事選挙に際して「県民マニフェスト運動」を展開してゆくとしていた。

ところが知事選挙が4月地方統一選挙と同時に行われることとなり、「県民マニフェスト運動」を展開することが時間的に難しくなった。そこで「奈良県をこうしたい、私の提案発表会」を開催して県民が自由に県政に提案する形に活動計画を変更することとした。

★奈良県をこうしたい 私の提案 発表会

<07年3月21日(水)午前10時~午後4時30分>(参加者20名)

提案内容(詳細については、18頁参照)

  1. 環境セクション:3名、7項目
  2. 地域再生・地域自治セクション:3名、4項目
  3. 行財政改革・議会改革・人材育成セクション:5名、9項目
  4. 事例報告:1名、1項目

2.事業の成果

本事業は、昨年自主事業として行った『「市民の森」ゼミナール2005』を引き継いで実施するものとして、講座時間、テーマ、講師陣などについて2005よりも充実させ、より多くの成果を期待するものであったが、受講者が予想を大きく下回る結果となり、奈良県民の「社会づくり・政策改革」などに対する意識と意欲は充分成熟していないということが、残念ながら浮き彫りになったといえる。しかし、それと同時に少ないながらも受講いただいた方々と知り合うことができ、「私の提案」においても積極的にご参加いただいて、の新たな連携を生み出すことが出来たことは大きな成果である。

3.今後の展望

「市民の森」ゼミナールは、21世紀の社会像、並びに自治・分権時代の自治体像の提示と、その実現に向けた社会経済システム、ガバナンス改革の手法を学びながら、地域の公共活動を担う地域公共人材を養成する「場」と位置付けている。

そのためにも、市民、NPO、自治会等で構成される市民セクター(市民社会)、行政職員や議員が活動する公共セクター、商店、企業等の営利活動分野である市場セクターから、多くの受講生の参加が不可欠である。

しかしながら、現実は、受講生の延総数が272名(当初の予想500名~1000名(1講座平均30名~60名))と、予想を大きく下回った。その主要因として考えられることは、①そもそも、市民・県民(NPOメンバー、自治体職員等含む)の関心が薄い。②環境創造、福祉創造、経済創造、市民主権型自治体創造という4つのコース設定が、あいまいな印象を与えた。③講義内容と受講生のニーズが合致しなかった。④開催日の土曜日は行事が重なる。⑤受講料が高い。(午後2講座を受講すると2,000円)⑥PR不足。⑦「市民の森」ゼミナール、あるいは主催団体である政策研究ネットワーク「なら・未来」の社会的認知が低い、などが考えられる。

受講者数が少ない要因を現段階で特定することは難しいが、今後の「市民の森」ゼミナールの運営に当たっては、以上の要因分析と共に、どういった人材をどういう方法で養成するのか、そのためのカリキュラムは、資金をどう確保するか、行政、大学、研究機関等との連携はどうあるべきかなど、奈良の地域再生・コミュニティ再生、地域自治(住民自治)活動等を担う公共人材養成のあり方を、根本的に研究する必要がある。

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