
| 団体名 |
サークル おてんとさん |
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| テーマ |
集まれ!奈良の自然エネルギーPART2
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わたしたちは市民共同発電所づくりで自然エネルギーを導入するにあたり、様々な問題に突き当たり ました。自然エネルギー利用施設の見学や勉強会を重ねていくうちに、太陽光発電や小水力発電、風力 発電、バイオマス利用、太陽熱利用など様々な事例が奈良県内に存在することがわかってきました。し かし、みな課題を抱えていながら情報を交わす場がないこともわかりました。2004年から奈良県内の 自然エネルギー利用施設の訪問調査を続け、お互いの存在を知り、また一堂に会する場をつくり、ゆる やかなネットワークを結ぶことを目指してきました。第3回なら・未来創造基金の助成を受け、以下の ことに取り組みました。
奈良県のホームページの「奈良県内の公共施設における新エネルギーの導入状況(平成15年度10 月現在)」から太陽光発電、太陽熱利用などの施設を検索し、施設と連絡を取り、現地調査を行いまし た。調査票では、施設名、所在地、自然エネルギーの種類、機種・メーカー、導入年月日、導入動機、 規模・価格、資金調達方法、年間発電量、使用電気量にしめる割合、売電状況、設置後の状況、今後の 予定を項目としました。その他民間施設、国の施設や、平成15年以降にできた公共施設などを別途 インターネットなどで調べました。行政機関の場合、施設により対応する窓口が異なり調査は容易では ありませんでした。調査した中から「集まれ!奈良の自然エネルギーPART2」で報告をして頂く3 事例を選びました。(生駒市の取り組み、大和郡山市少年自然の家のエコ丸、大和郡山市の太陽熱利用 の民間マンション)また、県民対象に夏休みに御所浄水場の太陽光発電施設見学会を行い、親子を含む 25名が参加しました。調査した結果は自然エネルギー利用施設事例集としてまとめました。調査に協 力して頂いた施設に配布します。今後さらに県民に親しみやすくカラーで事例集を作成したいと思いま す。
聞き取りおよび施設訪問調査した結果、生駒市環境管理課と大和郡山市少年自然の家、大和郡山市 の太陽熱利用の民間マンションを施工した企業に事例報告をお願いしました。生駒市の場合は奈良県で 唯一個人住宅の太陽光発電に助成を行っています。国の助成が打ち切られる中で、わずかでも助成を出 し続けることは普及のためになると思われます。また、積極的に生駒市の公共施設の屋根の上に太陽光 発電システムを導入しています。生ゴミ・し尿処理施設であるエコパーク21のバイオマスガス利用発 電も優れた取り組みです。大和郡山市の少年自然の家のエコ丸による環境教育の取り組みは職員による 工夫と智恵の賜物です。宿泊した子どもたちに食事で出た生ゴミをエコ丸(太陽光発電機)で得た電気 を一部使って堆肥化し、持ち帰ってもらう取り組みをしています。エコ丸の帆は太陽電池でできており、 エコ丸は職員の手作りです。施設職員による取り組みは環境教育の大きな可能性を感じました。2005 年12月には郡山ライオンズクラブの創立40周年記念事業として太陽光発電とハイブリッド型の風力発 電機も寄付されました。ますます環境学習の場として有効に活用されると思われます。大和郡山市の民 間マンションでは太陽熱を利用してマンションの給湯と暖房に使っています。太陽熱依存度が20%あり 太陽熱利用としてこれだけ規模が大きいものは大変興味深い事例であり、今後の集合住宅における可能 性を感じさせます。
昨年の「PART1」では8事例の報告をして頂きましたが、専門的な立場で意見を述べて頂く助言 者の必要性を感じました。そこで奈良県在住の山藤泰氏(関西学院大学大学院総合政策研究科客員教授、 NPO法人環境エネルギー政策研究所理事)のご講演と助言者として依頼しました。奈良県、奈良県緑 化推進協会、奈良市、奈良県生活協同組合連合会、ならコープ、奈良NPOセンター、奈良環境ネット ワークから後援名義を得て、2006年1月28日に奈良県中小企業会館で開催し、47名の方が参加され ました。講演と報告後、参加者との意見交換・交流を行いました。最後に奈良県内の自然エネルギー利 用施設調査の中間報告を主催者から行いました。参加者から活発な発言があり、参加者アンケートから も意識レベルの高い感想をいただきました。(当日配布資料、参加者アンケート参照)
訪問調査をしてホームページ上ではわからないことを知ることも数多くありました。以下のことがわ かったことです。
太陽光発電システムは大規模な物は公共施設中心に急速に導入が進みつつあります。特に西日本一とも 言うべき御所浄水場の790kWの太陽光発電システムの大きさは圧巻でした。2005年の秋にできた奈良 県図書情報館にも20kWの太陽光発電システムを導入しています。公共施設でも、熱き思いを語ってく ださる施設管理の多くの方にお会いし、施設管理側次第で啓発が可能であることも実感しました。一方 個人住宅の奈良県の人口1万人当たりの太陽光発電件数は近畿圏では善戦しています。調査の結果、太 陽光発電の事例が多く、バイオマス利用の技術についてはまだまだ奈良県内では未知数です。
しかし、山間部を多く抱える奈良県では林業の活性化を図る上からも木質バイオマスの活用は求められ ています。また、過疎の村の活性化と自立を考えた小水力発電、風力発電は課題を乗り越えながらの果 敢な取り組みです。教育現場では太陽光発電システムを導入した事例が多くありました。
しかし教育現場に課せられた課題は他にも数多くあり、さらに有効に活用するには、何らかのサポート の必要性を感じました。地域の住民やNPO、温暖化防止活動に関わる市民の協力を得ることも重要に なってくると思います。自然エネルギー導入者は多くの場合、情報を共有化できる場を持っていません。 企業にとって自然エネルギー導入は未だに高価であり、温暖化防止の意志があってもなかなか導入でき ない状況です。
昨年に続き、今年で11事例を報告して頂きました。自治体の取り組みが中心になりましたが、生駒 市は環境管理部門、大和郡山市は教育部門、民間マンションは施工をした企業とお互いの接点は今まで なく、報告者どうし情報を交換しあいました。参加者の中には住宅メーカーの開発部門の研究者や昨年 の報告者も参加され、少しずつ自然エネルギーに関心を持つ方のネットワークができつつあります。 参加者のアンケートにもあるように、今後も交流する機会を持つ必要性を感じています。
調査地点数は不十分でありますが、報告書を助成期限内でまとめました。資金不足から白黒で事例集 を関係者に配布します。さらに県民にもわかりやすく、自然エネルギーを身近に考え普及するための資 料として、カラーの事例集を発行したいと思います。掲載されている施設の管理者や利用者の励みにな り、お互いの情報交換や連携のための資料になることも目指しています。このような県内の自然エネル ギー利用状況を調査している事例は他府県でもなく、環境省が調査を開始している「環境力」調査の重 要な事項でもあります。今後も定期的に利用施設の調査を継続していくことが求められます。
地球温暖化問題が深刻化する中、奈良県でも今年度から向こう10年間で取り組む「県環境総合計画」 が今年まとめられました。地球温暖化問題への対応を主眼に具体的数値目標を掲げ太陽光・風力発電出 力量は現在の約4倍に伸ばすとしており、県民や事業者、民間団体が一体となった活動を展開する必要 があります。奈良県内での個人住宅の太陽光発電システム設置件数は新エネルギー財団のデータから近 畿圏では善戦しており環境意識の高さが伺えます。しかし現在は奈良県では個人の交流する場がありま せん。これから設置しようと考えている市民にも温暖化防止に向けて工夫できる情報を提供し、奈良県 内の市民による温暖化防止行動の可能性を広げたいと思います。
他の自然エネルギー利用先進国のように、設置のための助成金だけではなく、制度的な自然エネルギ ーの正当な評価があれば自然エネルギー利用は急速に進むと思われます。奈良県の周囲の環境に配慮し つつ、県内の自然エネルギーの普及に取り組む団体や行政、企業ともに、普及に向けて連携して行きた いと思います。