
| 団体名 |
奈良女性史研究会 |
|---|---|
| テーマ |
「第10回全国女性史研究交流のつどいin奈良」開催のために |
県内外の女性団体や大学に呼びかけて当日スタッフとして実行委員を募っていたが、80数人が応えてくださり9月1日から「奈良市男女共同参画センター・あすなら」で直前準備を開始した。参加者も、申込の締め切りを6月末日としていたが、締め切りを過ぎて開催日当日まで申込が絶えることなく、ついに350人を越えた。事務局はうれしい悲鳴をあげつつ、9月3日の初日を迎えた。
9月3日は、なら100年会館において開会行事として「戦争と差別のない未来へ―奈良からの提言―」と題し、奈良在住の3人の方々と藤目ゆきさんに提言していただいた。奈良の地で機銃掃射を受けその傷に今なお苦しみながら戦争の語り部としての活動を続けている「かしば女性会議」の鈴木知英子さん、夜間中学で学ぶ在日コリアン女性の李愛子さん、被差別部落で識字運動を続けている高校教師の松谷操さんである。それぞれの体験に基づく貴重な提言がなされ、参加者の感動を呼んだ。それらの提言を受けて、分科会Part1「戦争と平和A」「軍事基地と性暴力」「教育」「複合差別」の4分野に分かれ計17本の研究発表がなされた。
夜の交流・懇親会には250余名が参加した。1977年の第1回開催から、今回の第10回に至るまでの各開催地の代表が思い出を語り、「つどい」の歴史を振り返った。そして、今後の研究が深まることを願って、奈良県産のいちご「あすかルビー」のリキュールで乾杯した。お料理には「そうめん」も出され喜ばれた。事務局からも別途「奈良漬」を用意し、料理に添えてもらった。
翌日の4日は、午前中に分科会Part2「社会参加・運動」「暮らし」「労働」「戦争と平和B」の4分野で計15本の研究発表が行われた。各分科会はいずれも研究発表の後に、熱心に質疑応答が交わされて、時間が足りないのが残念であった。お昼には「柿の葉すし」をお弁当とした。午後は、「新たな女性史の視点で、戦後60年を考える」のテーマでシンポジウムを行った。その後、参加者全員の同意を得て、「平和と平等を希求する全国女性史研究交流のつどい宣言」と、「女性史資料の保存・公開に関するアピール」「国立女性教育会館に女性史資・史料の公開を目的とするアーカイブセンターの設立要望のアピール」を行い、閉会とした。
5日は、薬師寺へ30余名、水平社博物館へ60余名の参加者を得て、スタディ・ツアーを行った。水平社博物館へは希望者が多く、早い時点で予定枠が満杯となり、バスを増便したもののすべての希望には添えず多くの方に断念していただいた。いずれのコースも、参加者からは「参加できてよかった」と、喜びと感謝の声が多く寄せられた。
2年前開催要請を受け、資金も乏しく、稼動メンバーも少なく、本当に全国大会を開催できるのだろうかと、不安のうちに準備を始めたが、成功裡に大会を終えることができた。それはひとえに、直前準備から開催当日まで骨身を惜しまず働いて下さったスタッフの皆さんのおかげである。県内外の学生さんを含め、県内の登録女性団体やメンバーの友人・知人から延べ80余人の方々が、受付や、書籍販売、分科会、荷物預かり、写真やビデオ、保育等の係として熱心に働いてくださり、そうした形のネットワークができたことは、何にもましてうれしいことだった。また、県女性センターの職員の方々、前職員の方まで加わって準備から当日まで会場内を走り回って手伝ってくださった。行政の方々まで参加していただいたことも、とてもうれしいことだった。他府県の参加者から、官民一体ですばらしいとの声をいただけた。
初日の開会行事として「戦争と差別のない未来へ-奈良からの提言-」と題して、奈良在住の3人の方の提言は、参加者の感動を呼び、奈良らしい企画として評価された。また、32本の研究発表の後、熱い議論が交わされた。全国の女性史研究の仲間がそれらの成果を各地に持ち帰り、女性も男性もより生きやすい平和で平等な社会の構築に向け、研究が引き継がれていくと思う。
「つどい」の翌日の薬師寺と水平社博物館へのスタディツアーは希望者が多く、ツアーの参加者アンケートでは、参加できてよかったとの声が多く寄せられた。水平社博物館への関心は高く、予想を超える参加希望で、多くの方々をお断りする羽目となった。
「つどい」の実行委員を募集したところ、80余名の方々が応えてその運営・実行をサポートしてくださった。結果的に全国からの参加者は360人を越え、奈良女性史研究会のメンバーだけではとても対応しきれず、実行委員の方々のサポートがあってこそ「つどい」が成功したといっても過言ではない。私たちの呼びかけに応え、関西の大学に通う学生さんたちを含め、奈良県下の種々女性団体から、また友人、知人として、多くの方が「つどい」の開催のために集まり、準備の段階から骨身を惜しまず働いてくださった。また、思いもかけず、県女性センターの職員の方々、元職員の方も準備から当日も応援に来てくださった。会員20数名の小さな会、奈良女性史研究会が参加者350人を越える規模の全国大会を開催できたのもこの方々の支援のお陰である。こうして、「つどい」を機に、ひとつの目的のもとに、県下の多くの女性たち(男性も)が集まり、そのネットワークができたのも大きな収穫であった。
今回私たちの呼びかけに、大勢の団体や個人が呼応してくださり、持ち場持ち場で、責任ある活動をしていただけた。20代の学生さんから80代の女性まで、年代も違い普段は活動歴の異なる人たちが、協力し合うのは得がたい機会であり、情報交換などによって、各々の研究等が深まり、かつ、地域の活性化につながったと思う。今後、何かの折々に、このネットワークが大きな力になると思う。