事業実績報告

団体名

奈良ユニバーサルツーリズム研究会

テーマ

世界遺産都市・奈良のユニバーサルツーリズム調査研究事業

1.事業実績の概要

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奈良ユニバーサルツーリズム研究会では、世界遺産都市・奈良の公共交通機関、公共建造物、観光地を限られた人を対象とした「バリアフリー」の視点ではなく、みんなのための「ユニバーサルデザイン」の視点で、調査研究することを目的として本事業を実施しました。調査研究の取り掛かりとして、当初の計画ではアクセス調査のための事前研究会を開催する予定でしたが、予算の都合上、講師を招くことはせず、講師に予定していた川内美彦氏が著された「ユニバーサルデザイン バリアフリーへの問いかけ」をテキストにして、自主的な学習会を9月に実施しました。学習会では、バリアフリーではないユニバーサルデザインの視点での調査とはどういうものかという議論になり、その議論をもとにチェックリストの検討作業を10月に実施しました。

また研究会では、奈良県内のアクセス調査を、お寺や神社などの観光地、文化施設までを調査対象としていましたが、調査する限界を知り、調査対象を公共交通機関である「駅」のみに絞り、検討を重ねたアクセス調査チェックリストをもとに、10月より奈良の主な公共交通機関である、近畿日本鉄道の駅をアクセス調査しました。現在、近鉄の駅、合計26箇所を調査済みです。

また、国内の観光地の訪問調査では、ユニバーサルデザインまちづくりをされている、岩手県のグループ、アクセシブル盛岡代表の石川紀文氏が三重県に来られるのに合わせ、三重県健康福祉部ユニバーサルデザインチームと三団体で、三重県名張市にて意見交換を行いました。

また、6月23日(水)の午後より「ユニバーサツツーリズム・タウンミーティング」と題した、調査研究報告会をたんぽぽの家アートセンターHANA会議室にて開催しました。このミーティングには、宮崎市役所建築指導課建築福祉係係長の岩浦厚信氏をお招きし、宮崎市における取り組みの紹介や、ユニバーサルデザインによるまちづくりの意見交換を行いました。

2.事業の成果

本事業の実施により、市民のユニバーサルデザイン、ユニバーサルツーリズムに対する関心が急速に広まったわけではありませんが、調査している中での駅員さんとの対話や、障害のある人たち自らが調査している姿に道行く人が声をかけてくれることなど、少しずつではありますが、市民のユニバーサルデザインへの関心が広がったのではないかと思います。ユニバーサルデザインは特別なことでなく、一人ひとりの市民の生活に深い関わりがあることをみんなに伝え、他人事ではないと説明することの大切さを痛感しました。また、全国UD連絡会議なるものが実在するのが分かったものの、そこには奈良県は加盟しておらず、まだまだ奈良県における行政での取り組みの遅さがめにつきました。本事業でも行政とのパートナーシップをうまく築けなかったことが反省点であり、今後の課題です。また当研究会においても、事業を実施するなかで、調査手法など試行錯誤しながらつくりあげ、実際に現場に足を運びながら調査することの大切さを実感しました。この経験は、当研究会においても、確かな経験として蓄積されました。

3.今後の展望

奈良県におけるユニバーサルデザインへの本格的な取り組みを市民、行政、専門家が一体となって取り組みはじめなければなりません。そのためにも、市民からも情報を発信していき、ユニバーサルデザインを推進していくことが求められています。

私たち研究会も、ユニバーサルデザインの視点がより多くの人に浸透していくよう、さまざまな仕掛けを用いて活動を続けていきたいと思います。そのためにも、まずは今回の調査研究で得た、近鉄の駅のアクセス情報をはじめ、ユニバーサルデザインをわかりやすく説明したホームページを作成し、公開していきたいと思います。また、アクセス調査も継続して、今回調査できなかった、JRの駅やお寺や神社などの観光地、文化施設などを調査していきたいと思います。

また、ユニバーサルデザインに関心のある人たちのネットワークを作るとともに、全国の動向にも目を向けて、全国さまざまな都市・観光地で推進されている先駆的な取り組みに学びながら、ネットワークを結んでいきたいと思います。

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